介護と一言で言っても、働く場所は通所介護や訪問介護等があり、施設では特別養護老人ホームや有料老人ホーム、介護老人保健施設など様々です。中でも、介護老人保健施設は、医療と在宅介護の中間施設となり、在宅復帰に力を入れている入所型の施設です。
また、地域包括ケアシステムが重要視されている今日において、介護老人保健施設は在宅復帰に向けて重要な役割を担っています。ここでは、介護老人保健施設の在宅復帰に重要な役割について、紹介いたします。
高齢者の多くは、様々な病気を患っていることが多く、入院治療をすることがあります。入院治療後、いざ在宅に戻ろうと思っても、入院する前比べ退院時ではADL(日常生活動作)が低下しており、在宅生活が困難と言うことも少なくありません。
このような時、病院から在宅にまっすぐ復帰るのではなく、ワンクッション置いて在宅復帰を目指すことがあり、この在宅復帰を目指す施設が、介護老人保健施設です。
また、退院直後は医療的側面からの治療を継続して行うこともあり、医療を受けながら介護に重点を当てていくとても重要な時期です。この時期の対応によって、高齢者が在宅に戻ることができるか、それとも在宅に戻れなく、特別養護老人ホームなどの生涯型老人ホームに入所するかということに分かれてきます。そのため、病院から在宅の間にある介護老人保健施設では、高齢者介護がとても重要です。
在宅介護を行うためには、介護者が必要です。そのため、介護老人保健施設では、家族と一緒に在宅復帰を目指していくことも重要となります。例えば、在宅の状況がどういう状況なのか、段差はあるのか、手すりがあるのか等、家での生活の様子を家族に確認します。
家がどのような状態になることで、在宅復帰が可能なのかということを、高齢者・家族・介護者で相談していきます。また、家族の訴えや考え、高齢者のニーズにもこたえ、介護老人保健施設では、一日も早い在宅復帰ができるよう支援していきます。
在宅復帰をするためには、介護士だけではなく、高齢者に関わる多職種との連携も必要不可欠となります。そのため、高齢者が在宅復帰をするためのリハビリを強化し、在宅の様子を相談員やケアマネジャーなどの多職種と見に行き、医療的措置として継続していけるよう看護師と相談をすることも重要です。
その他、在宅復帰をするためには、継続的な在宅生活を送れるよう、在宅サービスとの協力も大切です。
今回、介護老人保健施設の在宅復帰に向けた重要な役割について紹介しましたが、いかがでしたか?介護老人保健施設は、介護を行うことはもちろんですが、「在宅復帰を目指した介護を行う」ということを知らない方も多いです。
地域包括ケアシステムが導入されてから、今まで以上に在宅復帰を目指しており、地域で高齢者を支えることが重要とされています。そのような中、介護老人保健施設では高齢者が在宅生活に戻るために、施設にいる間にやらなければならない任務が多々あります。それは、高齢者が地域で生活を行うためだけではなく、高齢者を支えていく家族のためにも、施設側としてできることを行うことが大切です。
ただ単に介護を行うのではなく、在宅復帰という大きな希望や夢を持ち、そのために行うべきことを見極め、多職種が関わり在宅復帰を目指していくこと、これが介護老人保健施設の重要な役割ということを認識しておきましょう。
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