知っておきたい「施設ケアマネジャー」の本当の役目

ケアマネジャー

施設ケアマネジャーと聞くと特別養護老人ホームやグループホームなどの「入所施設内で勤務しているケアマネジャー」というイメージがあると思います。

施設に入居している利用者へのアセスメントやケアプラン作成など、担当する人数は場所によりますが、最大100名となっています。

同じ施設内でのサービスに基づいてケアプランを作成するので、居宅ケアマネジャーの業務内容よりも内容が一律化しているように感じるかもしれませんが、利用者ひとりひとりの状態はもちろん違いますので、ケアプランの内容は同じではありません。

ここでは施設ケアマネジャーの役目についてお伝えします。

施設ケアマネジャーは現場の介護に直接はかかわらない

施設ケアマネジャーの業務は、ケアプランの作成、アセスメント、書類の作成など事務作業が主なものとなり、特別養護老人ホームなどでは現場の介護業務に入ることなどは殆どありません

(しかし、小規模なグループホームなどの施設では、ケアマネジャーが施設管理者、介護職を兼務している場合もあります。)

ただし、特別養護老人ホームであっても、新規入居者の初日には担当の施設ケアマネジャーが現場に立ち会い、現場介護職員とケアプランの再確認、情報の共有を行います。

ケアプランを書面で伝えているだけでは、実際の留意点などが不明確な場合があります。

現場で直接ケアプランに沿ったサービスを提供しながら、実際に現場で直接指導に入ります。

施設ケアマネジャーは、「自立支援」に向けたプランの統一を図る

施設によってプランは様々ですが、施設全体に重要なことの一つとして「自立支援」に沿ったケアの提供が挙げられます。

入所施設では利用者の状態はそれぞれ異なり、ケアプラン上では全員が同じ項目を実施するように見えてしまいますが、ケアの考え方は全く異なります。

24時間シフト制で利用者のケアにあたる施設介護職員にはチームプレーが必要不可欠であり、職員全員に自立支援を意識したケアを浸透させることはとても難しいといわれています。

介護職も時間内に終わらせなければならない日々の業務に追われ、自立に向けたケアをしたくてもなかなかできないといった現状もあります。

しかしながら、すべてのことに対し介護職員が手を差し伸べる全介助で終わらせてしまうと自立支援に向けたケアからは遠ざかってしまうので、近年ではケアマネジャーが直接介護現場に介入し、全体に自立支援を浸透させていこうという取り組みも広がっています。

施設ケアマネジャーは直接的に介護の業務に携わることはありませんが、第三者の立場から自立支援に足並みをそろえる観察、提案、指示、相談等を行います。介護スタッフに任せきりにならないように適度に利用者を訪問し、様子を観察、聞き取りなどを行うように心がけましょう。

施設ケアマネジャーには介護のスキルも必要

介護技術については常に最新情報とスキルを持っておく必要があります。

施設内での介護業務は比較的、パターン化されている業務が多い現場です。

朝のモーニングケアから始まり、誘導、食事、排せつ、入浴、レクリエーション、イブニングケア、夜間巡回などがあります。

より良いサービス計画を立てるのであれば、少しでも現場の状態を知ったうえで、利用者の身体状況や生活リズムに沿わせていくことが必要です。

職員との定期的なディスカッションも進めていくのがよいでしょう。

まとめ

現場を見ずにケアプランだけが先走ってしまうと、現場との温度差ができてしまうこともあります。

施設ケアマネジャーは介護業務に参加する必要はありませんが、施設の職員に、自立支援を意識したケアを浸透させる役目があることをしっかりと意識しておきましょう。

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