デイサービスで音楽療法を行うための事前準備

音楽療法

音楽療法というセラピーをご存知でしょうか。

デイサービスでは、主にレクリエーションの1つとして行われることが多い音楽療法ですが、他のレクリエーション同様、事前準備が必要です。

どのような事前準備をすると良いのかを紹介します。

音楽療法プログラムの作成

音楽療法は計画されたプログラムに基づいて行われる治療法です。

30分から1時間程度にいくつ曲を使い、その曲のうちのいくつ歌唱するのか、体操を取り入れるのか、楽器を使う曲はあるのかといったことを考えながら計画します。

特に担当するスタッフは、使用するプログラムをいくつかのステップに分けて作成します。

例えば、はじめに季節の歌や童謡など、馴染みの深い曲を使います。

そして参加する利用者の多くが音楽療法の開始を意識し始めたら、体操や簡単な楽器の演奏などを行います。

次に、場の空気が盛り上がったところで、歌謡曲など、知ってはいるけれども歌うのは難しいような曲にチャレンジしてみるのもいいかもしれません。

終盤はクールダウンのための時間です。

今日のセラピーはこれで終わりですよ、とお知らせするための曲を使用します。

『夕焼け小焼け』や『ふるさと』など、テンポのゆっくりとした曲が利用されることが多いです。

また、プログラムの終了を意識するために終わりの曲だけは同じにしているという作業療法士さんもいらっしゃいます。

これは、高齢者の方々に終わりをわかりやすく感じてもらうためです。

このように、ウォーミングアップ、体操や演奏、クールダウン等のステップに分けてプログラムを作成し、音楽療法を行うこともあります。

音楽療法でよく使われる「歌詞幕」の準備

歌詞幕は聞きなれないかもしれませんが、歌詞幕とは、歌の歌詞を大きく書き記した紙の事です。

模造紙などの大きな紙にマジックなどを利用して書きます。筆を使って書く方もいます。

デイサービスではよくこの歌詞幕を利用し、音楽療法を行います。

全ての曲に歌詞幕の準備が必要なわけではなく、歌詞を知っている方が多い曲であれば、作業療法士が歌詞を先に言っていく方法をとります。

伴奏や歌の練習は必須です

音楽療法の伴奏はピアノなどの鍵盤楽器や、ギターなどで行います。

音楽療法のセラピーでは、ただ楽器を弾くのではなく、高齢者の表情や反応を見ながら演奏する必要があります。

また、自分も一緒に歌ったり、先読みと言って伴奏と同時に歌詞を読んでいく技法を使うことがあります。

ただ楽器を演奏するよりも、たくさんのことをしなければならないので、楽譜もある程度覚えておく必要があります。

それぞれの利用者の状態を把握した上で音楽療法を行う

曲の選定や楽器を使う際にセラピーに参加する方の身体状況や精神状況を知っておく必要があります。

また、デイサービスでは、曜日によって利用者が入れ替わることもあり、メンバーによっては、相性がよくないメンバーがいることもあります。

その場合は、あまり近くの席にしないようにするなど、全体のバランスについても考えておいてください。

わからない場合は看護師や他のスタッフに確認してください。

例えば、半身麻痺の方に両手を使わなければいけない楽器を渡しても演奏できません。

また、戦時中によく歌われた歌を聞くと情緒が不安定になる方もいます。

その他にも目が見えず、歌詞幕が読めない方もいらっしゃいます。

それぞれ配慮が必要な場面で、必要なことができるように、事前に確認しておきましょう。

確認した上で、特別な配慮が必要な方がいる場合は、セラピー中に注意を払っていただけるように、看護師や他のスタッフにお願いしておきます。

その場合は、当日のセラピーの流れや、どの曲を使う際に、どんな手助けをしてもらいたいかを事前に伝えておくといいでしょう。

まとめ

デイサービスで音楽療法をする場合の事前準備について、紹介させていただきました。

やることがたくさんありますが、セラピーに準備は必要不可欠です。

その大変さも、セラピーを受けてくれる方のためであることを思えば、乗り越えられます。

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