デイサービスでの理学療法士の基本的動作練習の考え方とポイント

基本的動作練習

デイサービスではリハビリを行う際に機能面へのアプローチも行いますが、動作面へのアプローチも行わなければいけません。

その動作面へのアプローチの考え方と大切なポイントを説明します。

基本的動作練習とは

基本的動作とは、人間が主に行う動作のことで「起き上がる、坐る、立ち上がる、立つ、歩く」という動作のことを言います。

人間はこれらの動作をスムーズに行う事で日常生活や仕事、スポーツも行えるようになります。

しかし、何らかの怪我や病気によってこれらの基本的動作を行う能力が損なわれてしまう場合があります。

そうした時にリハビリを行い、再びこれらの動作が出来るように練習し、日常生活や仕事への復帰を目指します。

これは高齢者であっても同様で、高齢だから一度失った機能は再び獲得できないということは一切ありません。

若い方々に比べると時間がかかってしまうことはあっても、できないとあきらめてしまう必要は全くありません。

デイサービスでのリハビリを行いながら、基本的動作の再獲得を十分に目指していく事が可能です。

デイサービスを利用する高齢者の基本的動作能力の評価

デイサービスでは決まった時間のリハビリになるので、的確な評価と練習が必要になります。

また、その場で普段の動作の確認なども同時に行わなければいけません。時間が短い、回数が少ない分とても貴重なリハビリ時間になります。

デイサービスを利用しているということは、生活の場が自宅である方々が多いです。

その生活の場である自宅の環境に応じて必要となる基本的動作能力が大きく変わってくるので、自宅の環境を十分にヒアリングし、理学療法士がしっかりとイメージすることが重要です。

利用者本人からではイメージがつかみにくい時には、ケアマネジャーや看護師にも聞いてみたり、家族に伺える時には家族に家庭での様子を聞いてたりしながらイメージをすることをオススメします。

施設内などではバリアフリーなので問題なく歩いていたとしても、自宅では階段の昇り降りや敷居があったりと、少しの段差などでも転倒してしまう可能性が高齢者はつきまといます。

そのようなことから、しっかりと自宅での環境を把握し、適切な能力の評価を行います

基本的動作練習のポイント

自宅で生活をするということは、ベッドから起き上がり食卓に歩いて行ったり、トイレに行ったり、お風呂に行ったりと様々な行動があるので、利用者本人に合った基本的動作の見極めが1つのポイントです。

食卓へは歩いて行けても、椅子からの立ち上がりがやりにくいなどという訴えでは、もちろん筋力向上などで立ち上がりをスムーズにすることも重要ですが、椅子に座布団を敷くだけでスムーズに立ち上がりが行えるようになったりすることもあります。

自宅の食卓椅子の高さを家族に聞いたりすることで、機能面だけのアプローチではなく環境面にもアプローチし、適した環境で立ち上がり練習を行う事により動作の安定性や安全性が向上します。

また、トイレでも同様で、便座の高さを変える事は困難であったとしても、手すりの位置一つで動作の実用性が変わってきます。

手すりを引っ張るように立ち上がる方が安全に行えるのか、逆に押すことで安全に行えるのかなど、様々なパターンで立ち上がり動作の練習を行うことで、どの方法がその人にあったやり方かを見つける事ができます。

このように、関節の動きを良くしたり、筋力向上で動作の安全性や安定性を向上し、楽に行う事も大切ですが、今ある身体の能力を十分に引き出せるように、その環境にアプローチするということが大きなポイントになります。

出来ないことを出来るようにするためにリハビリを行うこともとても大切ですが、デイサービスを利用する方は自宅ですでに生活していると言う事をしっかり把握しなければいけません。

行いにくい動作や不安定な動作があれば、できるだけ早期に対応してあげることで、生活が楽になったり、動きが楽になったりすることも沢山あります。

理学療法士は、そうした環境を見極め、利用者に合った基本的な動作練習を行ってあげましょう。

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