介護に関わる看護師の仕事の中には訪問看護というものがあります。
訪問看護サービス自体は癌のターミナル期のケア等も含めるので高齢者介護専門というわけではないのですが、在宅での介護を希望する多くの人と家族にとっては24時間365日の対応をしてくれる訪問看護サービスを利用できるのは心強いと言えます。
訪問看護の仕事は、病院での仕事と比べると、ケアマネジャーなどの他の専門職との連携がより必要になってきます。
ここでは、チームとして介護に関わる仕事をする上で考慮できることについて取り上げていきたいと思います。
訪問看護サービスを利用する高齢者は、同時に訪問介護、通所介護、ショートステイ等の介護サービスを併用している場合があります。それぞれのサービスの利用頻度は個々の利用者によりますが、介護度が高いほど訪問看護サービスを多く利用するかもしれません。
中には褥瘡の処置や他の医療処置を必要とする利用者がいます。その他に基本的なバイタルチェックは日々行われていることでしょう。介護度が高くなるほど体調の変動もあり、その都度対応が求められます。
他の介護サービスのうち、訪問介護のように医療従事者が不在で提供されるサービスもあります。そのような場合は特に訪問看護時の経過観察や介護へのアドバイス・指示が必要とされるため、日々の細やかな報告や連携が欠かせません。
情報共有の方法としては、担当のケアマネジャーに報告をするとともに、必要に応じて訪問介護サービスと直接連絡を取り合うことも必要です。
通所介護サービスのように看護師がいる場合でも、日々密に関わる訪問看護師からの情報が必要とされ、時にはアドバイスを求められることもあります。ケアマネジャーを介さずにして直接医療処置について話し合わなければならない場合もあります。
また利用者が他介護サービスを利用している場合、訪問看護師は疑問点について施設に問い合わせることもあります。
このように訪問看護に関わる場合に欠かせないのは、すぐに情報を共有できるコミュニケーション力です。
介護において無駄な情報というものはなく、ちょっとした状態の変化等の情報が、他の介護サービスに気付きのきっかけを与える大切なものとなります。
情報を共有するための公の機会がサービス担当者会議となります。対象の利用者の状態に大きな変化がほとんどなく安定している場合は、介護認定の更新時に実施されるので一年ごととなります。新規に認定された場合は半年後に再度行われます。
その他病院からの退院時や状態の変化に合わせて介護度の認定が見直される場合や新たな介護サービスを利用し始めた場合など、必要に応じて招集されます。
指定の日時に訪問します。
場所は自宅であったり、病院であったり、介護施設であったりと様々です。可能な場合利用者本人も参加します。
もちろん、ケアマネジャーが質問をしたり、他の介護サービスから質問されることもありますが、出席前に申し送りたい事項を準備しておくことは大切です。
実際の介護サービスの現場では、家族不在で提供されるサービスも多く、対象の利用者が認知症であったり、介護度が高い場合には、サービス同士の連携が取れていなかったために事故が起きてしまうこともあり得ます。
例えば、家族が出かけた後の、通所介護サービス利用までの準備を訪問介護で提供している場合、どのサービスも時間が勝負でお互いが都合の良い時間に引き渡しをするのが難しいかもしれません。
このようなサービス同士の引継ぎ状況も含め知りたいことをサービス担当者会議では確認できますし、看護からの処置や体調管理観察などについての指示を与える機会ともなります。
訪問看護における連携の大切さについて取り上げてきましたが、サービス担当者会議という機会は専門性を特に発揮できる大切な時間です。
日ごろからお互いのサービスを理解し、必要に応じて連絡を取り合うことはもちろん、実際に話し合いの場で他のサービスや家族・本人の要望とのすれ違いを確認し解決していくことは、在宅介護に関わる者の責任の一つとなります。
このような過程を経て提供される介護や看護は間違いなくやりがいのあるものになっていくと言えます。
カテゴリ
アーカイブ