訪問看護師は看護を必要とする人の自宅に1人で訪問し、主治医の指示により看護業務を行います。病院とは違い在宅では同じ看護師が同じ利用者を担当します。
訪問看護師は利用者から頼りにされ、必要とされますので、看護師としてやりがいを感じることはもちろんですが、看護を必要とする人に対して重大な責任を持つこととなります。
年々総人口に占める高齢化率が高まり、特別養護老人ホームや有料老人ホームがどんどんと増えてきていますが、在宅で生活を続けていきたいと思う方は近年増加傾向にあります。
国としても在宅支援の必要性を訴えており、その中でも訪問看護の存在は大きいものとなってきております。
ここでは、訪問看護師の仕事や向いている人材について紹介していきます。
訪問看護ステーションで働くために必要な資格は、看護師、准看護師、保健師、助産師です。いずれかの資格を持ち訪問看護事業所に所属すれば訪問看護師として働けます。
但し、准看護師の場合、記録の作成や24時間訪問の電話当番ができないなど業務に制限があったり、介護報酬の減額であったりと採用にあたるデメリットもあり、敬遠されるといった実情もあります。
しかし、その他の業務に関しては看護師同様の業務ができますので、看護師と比較し、難しくはなりますが、採用の可能性があります。
また、訪問看護ステーションでは1人で対応するため、スキルの高い人材を求めることが多く、訪問看護師の求人は「臨床経験3~5年」という条件が多いのが現状です。
さらに訪問の際の移動手段として、車やバイクを使用するので普通自動車免許を持っていると良いでしょう。
昨今では、病棟などからの看護師転職者が多い状況です。様々な経験と技術と知識を持っている方は即戦力になるため優遇されます。
また、急な対応の際にも動じない心と対応力が求められます。在宅での業務には、1人で訪問し、1人で判断しなければならない場面が多くあり、瞬時に適切な判断が必要となります。
しかし、1人で判断がつかない場合には管理者や利用者のかかりつけ医師に連絡を取り指示を仰ぐこともできます。
臨床経験が多ければ、看護を必要とする人の変化に気づきやすく、判断能力、観察力と一通りの技術の習得もあると考えられます。
臨床経験がない看護師が訪問看護で働くことが可能かどうかを制度上の話だけをすれば、先に述べたように該当資格を所持していれば、新卒者でも訪問看護師として働くことは可能です。
但し、臨床経験の少ない新人の看護師とって1人で判断を下す必要がある訪問看護はハードルが高く、実際に勤務するのはかなり難しいというのが現状です。
訪問看護事業所の中には人材不足が深刻な状況であったり、即戦力ではなくても、フォロー体制、バックアップサポート体制を整え、訪問看護事業所で人材育成を行いながら業務をおこなったりすることで未経験の看護師を採用する事業所もあります。
長期にわたるブランクがあったとしても、採用に積極的な事業所も多く、社会復帰し活躍している訪問看護師たちもたくさんいます。
在宅ケアは精神的なケアや観察力が重要です。ベテランであっても新人であっても役割や責任の重さは同じです。柔軟に対応できる人が求められます。
1人で看護が必要な人のところに訪問することは、不安に思う気持ちは強いですが、他看護師のサポートや病院との連携や協力すれば困難ではありません。
看護を必要とする人は、看護師が来てくれることで安心します。療養が必要な人は不安がいっぱいです。精神的な面でも安心させ、リラックスさせるのも看護師の役割です。
訪問看護師は高いスキルが求められますが、多くの訪問看護事業所で研修の機会やバックアップ体制がとられています。
在宅で療養の必要な方との一対一の関わりが多くなると思われますが、親密に利用者の気持ちに寄り添うこともできますし、信頼関係も築くことができます。
時には家族の相談相手になることもあります。現場はそれぞれ勤務体制が違います。
在宅ケアを継続していくためにも、訪問看護の存在は必要で、これからもますますニーズがあり、求められる職種となると考えられます。
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