介護施設の夜勤で働く心得

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24時間体制の施設で勤務する場合、様々な勤務形態があります。施設ごとにその規定は異なりますが、その多くは、早出、遅出、日勤、夜勤、この四種類であることが多いです。ここでは、夜勤の仕事について紹介します。

夜勤前の過ごし方と仮眠について

人間は、朝日を浴びることで体内時計がリセットされるといいます。つまり人は夜眠り朝起き、朝日をその体に浴びることでその日一日のリズムを整えるようにできています。夜勤は、そのごく一般的な生活リズムに逆らって本来眠っている時間にお仕事をすることになります。

夜勤前の過ごし方で気を付けたいのは、やはり日中の過ごし方です。出来る限り予定を詰め込まず体力を温存しておく、これが大前提となります。勤務に慣れる前は夜勤の勤務時間に合わせて生活リズムを逆算し、仕事に支障の出ないようスケジュールを立てると良いでしょう。

しかし、「今夜は夜勤だから」と一日中眠って過ごす、また反対に「明日は夜勤だから今日は夜更かしして睡眠時間をずらそう」、というのは体内時計の観点から言ってもあまりお勧めできない過ごし方です。朝から夕方まで眠って過ごした後、なんだか身体がだるい、という経験はありませんか?

夜勤前の仮眠のとり方でお勧めしたいのは、
●朝は決まった時間に一度起きる
●日中は忙しく動き回らずゆったり過ごす
●出勤前の三時間ほどを仮眠に充てる

この三つです。

家庭環境の都合で夜勤前に3時間の仮眠が難しいという方も居られることと思いますが、少しでも横になれる時間があれば身体を休めるようにしてください。慣れない夜勤で緊張して上手く仮眠がとれない、という人は部屋を暗くして目を閉じておくだけでも脳が休まります。どうせ眠れないからとテレビや携帯等を眺めて過ごすのは控えて、少しでも脳と身体を休ませましょう。

また、夜勤明けての日中の過ごし方ですが、これも帰宅後に三時間ほど眠り、あとの日中は普通に生活を送ることを心がけましょう。短時間睡眠で軽く身体の疲労を回復し、日中起きて過ごすことによって、比較的スムーズに夜眠って朝起きるという生活リズムに戻りやすくなります。

介護職の夜勤の仕事内容

これは施設の勤務形態にも左右されます。夕方17時ごろから翌朝までとする施設や、21時~深夜にかけて公共の交通機関が動いている時間を勤務開始に定めている施設もあります。仮に、16時勤務開始とすると、おおまかな仕事内容は、

就寝前
・食事介助
・服薬見守り、確認(食前、食後、就寝前、被介護者の処方を確認して行います)
・口腔ケア
・トイレ誘導等の排せつ介助
・更衣介助
・居室への誘導、ベッドへの移乗及び臥床
・翌日に着用する衣服等の準備

就寝後~起床
・記録
・夜間見回り
・ナースコール対応
・夜間排せつ介助
・体位交換
・起床に向けての、更衣介助、排せつ介助、口腔ケア等
・バイタルチェック
・日勤への引継ぎ

終業時刻の違いによってはこれに朝食の食事介助、服薬確認等も含まれます。

消灯の目安が21時ですのでそれに向けて業務にあたります。食事介助は日中のものと特に変わりありませんが、被介護者によっては服薬を食後と就寝前の二度行なう場合もありますので注意が必要です。トイレ誘導やおむつの着用、パット交換等は、就寝に向けてその被介護者に適したものを選ぶようにします。

例えば利尿剤を服薬している被介護者には、吸水量の多いものを選択しておくと、夜間就寝中に排せつがあった場合、衣服や寝具へ漏れるのを防ぐのに有効です。これは、就寝中の被介護者を離床させ更衣等で負担をかけない為の配慮でもあります。夜中にいきなり起こされて着替えなければいけない、そんな睡眠環境は誰であっても避けたいはずです。

介護職における日勤と夜勤の違いは?注意点について

介護職における日勤と夜勤の大きな違いのひとつが職員の人数の差です。また、施設によっては夜間看護師が常駐していない場合もあります。そのような施設の場合は、万が一の急変時にどう対処するのかを定めているはずなので、しっかりと確認し、出来ることなら空で言えるほどにその対処法や連絡経路等を覚えておきましょう。

例えば、急変時にマニュアルを慌てて確認する、もしくはどこにあるのかもわからない、そんな職員のいる施設にあなたなら入居したいですか?

これは被介護者の万が一を防ぎ、守る為にとても大切なことです。

個々の病状や怪我によって今夜は特に見守りが必要という場合もありますので、しっかりと日勤からの引き継ぎを受け、また夜勤での変化や様子をきちんと日勤に引き継げるよう観察と記録、報告が重要になってきます。

また、夜間に起こりがちな事故のうちの一つが、ベッドからの滑落、転倒による怪我や骨折です。これは、夜間覚醒し自力でトイレや他の場所に行こうとして起こりやすい、認知症の有無に関わらず起こりえる事故です。

被介護者の病状によっては睡眠導入剤、睡眠薬が投与されている場合もあり、とてもふらつきやすく普段自立歩行されている被介護者であっても転倒のリスクが高まります。

居室内の床に倒れこんでしまうとナースコールに手が届かずそのまま床で見回りの職員が来るまで待ち続けなければいけません。その為、ナースコールだけに注意を払わず、日中自立して排せつを行なえる被介護者への見回りもとても大切になってきます。

まとめ

24時間施設で生活している被介護者のケアはすべてが繋がっています。
夜勤を担当するようになるとそれまで分断されたパーツのような仕事の流れが一気に理解でき、すべてが繋がっているという意味も理解できるのではないでしょうか。

緊急時の対応、と聞くと不安に感じるかもしれませんが、被介護者の日中の様子や平常時の様子を覚えないうちにいきなり少人数体制の夜勤を任されることは、ほぼ無いと言えるでしょう。

被介護者個々のケアを行えるようになってから夜勤開始となることが理想です。その施設での勤務開始からおよそどの位の日数で夜勤に入ることになるのか、業務を覚える上での目標にもなりますので、事前に確認しておくと良いでしょう。

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