車椅子の被介護者の移乗の仕方について具体的にどのようにすればいいのか説明します。
ベッドから車椅子への移乗の際は、まず初めに、ベッド上で排泄を行う方は排泄の有無を確認しておきましょう。確認を済ませたら、ベッドの側面に対して20度から30度ほどの角度に車椅子をつけると、移乗距離が縮まり安全面の向上がはかれます。片麻痺のある被介護者の場合は麻痺のない側に設置しましょう。車椅子のブレーキはかかっているか、フットレストはあがっているか、それらを確認して移乗に移ります。
被介護者に、ベッドに端座位になって靴を履いていただきましょう。このとき靴を履いていないと、靴下はすべりやすく危険です。被介護者の臀部を手前にして、右・左と手前に引いていきながら身体を前にずらし、両足が床につく程度に浅く腰掛けてもらいます。
被介護者に介護者の肩につかまってもらい、前かがみになりながら立ち上がってもらいます。介護者は被介護者の足の間に車椅子側ではない足をいれます。本人と一緒に前かがみ、もしくは腰を低くしながら介助を行いましょう。
被介護者が立ち上がったら、被介護者の足の間の足とは逆の足を軸足にし、ゆっくりと足腰を回転させます。その後、車椅子のアームレストを被介護者に掴んでもらい、腰を低くして支えながら座っていただきます。
この時に、どすん!と座ってしまうと腰椎圧迫骨折にもつながりますのでご注意ください。フットレストを下げ、足を乗せ車椅子上の座位を直しましょう。被介護者に腕をくんでもらい、脇の下から腕をいれて腕を組み、後ろに引きましょう。これで完了です。
まずは端座位になっていただいた時に後ろに倒れないように留意しましょう。車椅子側ではない足を被介護者の足の間に入れ、それから臀部を引き、足の上に被介護者が乗り気味になる程度まで引きましょう。
肩につかまっていただき、腰を支えながら足がぶつからないよう注意しながら、車椅子の座面に向けて被介護者を乗せた方の足をそのまま足ごとおろし、ゆっくりと車椅子の奥におろします。
フットレストの上に足を乗せていただき、先ほどと同じように座位を直しましょう。このやり方は身体の軽い利用者様でない場合、介護者被介護者とも負担が非常に大きくなるため注意が必要です。
車椅子に先ほどと同じ20度から30度の角度をつけ、ベッドサイドにつけます。被介護者の足の間に介護者の車椅子側の足を入れるようにし、被介護者に、肩に掴まってもらいましょう。このとき介護者は腰を低くし、被介護者の顎が介護者の肩に乗る程度がちょうどいいでしょう。
その後被介護者の腰をしっかりと支え、前かがみになっていただきながら立ち上がってもらい、被介護者の間に挟んだ足とは反対側を軸足にし、ベッドに端座位になってもらいましょう。この時も、どすん!と座らないように注意してください。腰椎圧迫骨折の危険があります。また、浅く座りすぎても危ないので注意が必要です。
一番気を付けていただきたいポイントは、フットレストです。被介護者の足がフットレストに当たってしまい、簡単に肌に傷がついてしまいます。施設で被介護者の足の怪我の原因で1番多いといっても過言ではないです。
また、無理な移乗をした際に腰を痛めるのは被介護者だけではありません。被介護者のADL(日常生活動作)の維持の意味も込めて、立位の少ない被介護者も少しだけでも足をついていただくだけでリハビリにもなります。本人のできることを伸ばして頂きつつ、移乗ができると良いでしょう。
カテゴリ
アーカイブ