高齢化社会の進行が進み、自らの心身の健康を良好に保つことにますます関心が持たれています。国は1億総活躍社会の実現に向けて動いていますが、その中で介護予防が果たすべき役割が広がる可能性があります。ここでは要介護者等に対する介護予防の役割と、その現場で働くために必要なスキル等について紹介します。
介護予防は介護が必要な状態にならないよう支援する事、そして介護が必要になっても状態の悪化を防ぎ、心身機能の維持向上につながるよう支援する事が大きな役割です。介護職員が関わるのは主に要介護状態の悪化を防止する事です。
介護予防は比較的健康な方、要介護認定を申請して非該当になった方が、地域で行われている介護予防教室等に参加してリハビリ体操を行うというイメージもあります。また一方で、介護が必要になっても残された能力を活用して、できる限り自立した生活を送れるように支援することも必要です。そこで要介護者等に対する介護予防が重要となってきます。
できる所は自分で行っていただく、自力で入浴やトイレに行く事ができる環境を整える、といった日常生活からリハビリを意識した支援、利用者の能力に応じた体操や機械を使った運動等、介護職員も利用者の能力低下を防ぐ支援を考える事が大切です。
介護職員が行う主な介護予防の取り組みは、日頃の利用者の状態を観察して立ち上がりや移動に便利なベッドや手すりの設置を提案する、過剰な介助は行わず自力で行うために必要な補助具を提案する、手足を無理なく動かして能力低下予防につながるレクリエーションを企画、実行する、利用者間のコミュニケーションを促して交流の機会を作り精神面の充実につなげる等です。
特に入居施設に勤める介護職員は、食事や入浴といった日頃の生活の中で、できる所は行っていただき自然にリハビリにつながるという生活リハビリを意識する事が大切です。
通所施設に勤める場合も、通所してリハビリに取り組む意欲の向上、自宅でも簡単にできる体操の考案等、精神面のケアや無理のないリハビリの内容を意識する事が大切です。
介護職員はリハビリの専門家ではありませんが、リハビリに取り組む方々と接する機会の多い職業です。そのため利用者が行っているリハビリの内容を把握するために、リハビリテーションに関する基礎知識は大切です。
また、可能な限りできる事は行っていただくために補助具等の福祉用具に関する知識を持っておくと、利用者の自立支援に役立ちます。病気や障害を抱える中でリハビリに取り組む利用者を理解し、精神的なサポートを行うためにも優れたコミュニケーションスキルも必要になります。
リハビリに力を入れている老人ホームやデイサービス、病院や診療所のリハビリ助手等、スキルを活かして活躍できる職場はたくさんあります。高齢化が進行している中で、要介護状態の悪化を防ぐ介護予防という取り組みは重要な役割を担っています。
老人ホームに入居しながら書道や絵画等、様々な分野で活躍したり、通所施設でリハビリを行いながら能力低下を防いで家族にできる範囲で料理を振る舞う等、介護予防は多くの人々の活躍を支援する分野です。
能力低下を防ぎ、高齢者の社会参加が進めば認知症の予防にもつながります。介護職員自身も介護予防に関する知識や技術を学び、自立支援という介護保険の目的を達成する事で、やりがいやキャリアアップにも結び付きます。
1億総活躍社会が提言する中で、働く人もサービスを受ける人も社会で活躍する機会を得られる分野として、介護予防の注目が高まってくる可能性があります。
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