介護職員として優れたスキルを持っていると判断された人は、介護主任に指名されて事業所内の教育的な立場になる可能性があります。介護主任は自らの立場を理解し、利用者には優れたサービス提供、職員には働きやすい職場環境を整備して事業所の利益につなげる重要な業務に取り組みます。ここでは介護主任の業務内容と介護主任として働くために大切な考え等について紹介していきます。
介護主任は実際に移動や入浴といった介護業務に取り組むだけではなく、職員の勤務表の作成や出勤簿の管理、研修や会議の資料作成と司会、職員からの要望を管理者に伝えて労働環境を整備する、施設内の人間関係の調整、職員に対する教育等、様々な業務を行います。
また、相談員やケアマネージャーと兼務している場合もあり、その場合には両方の業務に支障が出ないよう自らの勤務管理が重要となります。介護主任は事業所によって複数配置している場合や、主任は1名で副主任を数名配置する場合等、様々です。
介護主任は介護職員をまとめる責任者として、利用者の情報を正しく把握し、家族や管理者、関係機関からの質問に速やかに答える必要があります。緊急時には医療機関への連絡、家族の精神的支援、緊急時の対応について記載する報告書の確認、作成指導といった事業所の信用に関わる責任のある業務を担当します。
そのため、介護主任には高いスキルが必要となり、管理者と一緒に事業所の運営方針の決定、利用希望者受け入れの判断、ケアプランの作成といった業務を担当する事業所の中心的な人物として位置づけられます。
介護主任は優れた知識と技術を持って他の職員を引っ張るというイメージがありますが、どんなに優れた能力があっても利用者や職員からの信頼が無ければまとめる事は困難です。利用者に対してはミスなく丁寧な介護を心掛け、どんなに忙しい場面でも冷静に利用者と向き合います。緊急時等に主任が慌てると他の職員にも伝わり、適切な対応ができない恐れがあります。的確に状況を把握し、冷静に職員に指示を出して医療従事者につなげる判断力と冷静さは重要です。
また、様々な価値観を尊重して悪い部分を受け入れて良い所を伸ばす姿勢が大切です。人の良い所に目を向けないとトラブルになるだけではなく、利用者の悪い所ばかりに目が行き良い部分を活かして自立を支援する適切なサービスを提供できなくなります。
日頃から人の良い所に目を向ける事を重視し、人の話に耳を傾けて否定せずに真摯に聴くというコミュニケーションスキルを持っている事が主任として求められます。介護主任は利用者にとっても職員にとても頼りになる存在で、何でも気軽に相談しやすい態度を取る事が必要になります。
介護主任は事業所の中間管理職のような位置にあります。職員と管理者の間に入って双方の意見を伝えたり、改善を伝える等、その時の状況に応じて管理者側に立ったり職員側に立ったりと、立場を考えて行動する必要があります。
例えば管理者と職員の意見にズレが生じた場合、その意見が利用者や事業所によってどちらが大切なのか判断し、トラブルが無いように意見を調整します。どちらかの立場に偏るのではなく、意見の内容で利用者と事業所の利益になる事を判断します。
職員に対しては、利用者に対する適切な介護方法、利用者情報を指導し、サービスの向上につなげていきます。不適切な行動を取っている職員には注意をする事も必要ですが、その時は個人的な感情は排除して、不適切な行動についてのみ指摘します。また、注意した時は必ず職員の表情を観察する事が重要です。ひどく落ち込んだ様子が見られた時はアフターフォローをする必要があります。
以上、介護主任の業務内容や、介護主任として働くための考え方を紹介させていただきました。介護職の仕事をされるなら、やりがいのある介護主任も目指してみてはいかがでしょうか?エタンセルでは、様々な介護の仕事を紹介しておりますので、ぜひご相談下さい。
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