管理栄養士とは、国が定める栄養関連の国家資格です。超高齢化社会を迎えた今、そのニーズはますます高まっています。利用者の状況に応じた栄養改善上必要な指導を行うプロフェッショナルが管理栄養士です。
また、介護業界に限らず、スポーツ・栄養分野や食品関係の企業など、幅広い分野で活躍を求められている職種のため、年齢に左右されることなく長く働くことができます。
管理栄養士の主な仕事は、献立の作成です。利用者の状態に合わせて栄養バランスの整った食べやすく、そしてやわらかい食事や刻み食などのメニューを考えます。
また、旬の食材を使った献立、年中行事に合わせた献立の作成、バイキング形式にするなど、楽しい食事となるようにすることも大切な仕事の1つです。近年では、外出が困難な高齢者宅に食事を届ける「配食サービス」も増加傾向にあります。
管理栄養士の資格は、厚生労働大臣から免許が交付される国家資格です。資格を獲るためには国家試験に合格しなければなりません。
受験資格は、「4年制の管理栄養士養成施設を卒業した人」、または「栄養士養成施設で学んだ年数と実務経験年数の合計が5年ある人」に限られています。
管理栄養士の資格に必要な知識を身につけるための、管理栄養士養成施設という機関もあります。管理栄養士の専門領域に関する科目の必須単位を取得すれば、実務経験がなくても受験資格が得られます。
管理栄養士の試験は、出題数が多く、出題範囲も幅広く、さらに応用力を試す問題が出されるため、判断力や思考力が必要になります。しかし、合格ラインは総得点の60%なので、ポイントを押さえた学習ができれば、十分に合格を目指せます。
管理栄養士の給与は、就業する地域や勤務先によって異なりますが、大阪市内の場合、平均給与は月給25万円程度です。勤務先によっては資格手当などの各種手当、賞与なども支給され、福利厚生もあります。主な勤務先には下記の施設が挙げられます。
委託給食会社
管理栄養士・栄養士を企業などに派遣する給食会社のことを委託給食会社と呼びます。企業の社員食堂などの産業給食施設や、病院、福祉施設などの給食施設で働くことが多いです。派遣された管理栄養士・栄養士の職場はそれぞれの委託先になります。
病院
病院でも管理栄養士・栄養士が活躍しています。病院では、献立の作成の他に栄養指導や栄養相談も行います。
働き方としては、入院患者に毎日3食の食事を提供するため、早番・遅番といった交代制勤務となることが一般的です。患者の症状によっては、一般食の他に減塩食・低たんぱく食・流動食などを準備しなければならず、栄養知識・医学知識だけではなく、様々な工夫が必要となります。そのため、病院の給食施設で働いた経験のある管理栄養士・栄養士は、多方面で活躍できると見なされることがあります。
学校
小・中学校で働く管理栄養士・栄養士には、栄養教諭と学校栄養職員があります。栄養教諭は、子どもの食生活の乱れを解決し、正しい食習慣の形成を目指して子供たちに指導を行います。栄養の専門的な知識と教育に関する資質が必要で、以下の免許状が必要です。
専修免許状(大学院修了)・・・管理栄養士相当の専門性が必要です
一種免許状(大学卒)… 管理栄養士相当の専門性が必要です
二種免許状(短大卒)… 栄養士相当の専門性が必要です
一方、学校栄養職員は、教職員と同様の県費職員の扱いになります。主な仕事は給食の献立作成や調理員の指導です。その他には、調理を行ったり、栄養や食に関する基本知識を教えたりすることもあります。
福祉施設
福祉施設には、児童が対象の「児童福祉施設」と成人が対象の「社会福祉施設」があります。児童福祉施設では、給食の献立作成と調理指導の業務が主ですが、少子化の影響で児童数が少ない施設では職員の数も限られているので、管理栄養士・栄養士が調理を行う場合も多いようです。
社会福祉施設の1つである老人福祉施設では、高齢者を対象に献立を作成します。高齢者にとって食べやすく、そしてやわらかい食事や刻み食などの調理が必須となります。
また、施設入所者は、特に食事を楽しみにしておられる方が多いので、楽しい食事になるように工夫しなければなりません。管理栄養士が食事において栄養のことを考えた上で、旬の食材を使用し、また年中行事に合わせた献立の作成、バイキング形式の食事などを企画します。
高齢社会の今、福祉施設分野での管理栄養士・栄養士の仕事は、今後さらに増加すると考えられます。
管理栄養士になる方法は、先ほど述べたように国家試験に合格し、資格を得る必要があります。
その上で転職するには、Webでの求人サイトや折込チラシなどに掲載されている求人に応募することが一般的です。管理栄養士の求人の数自体は多くありませんので、根気よく探し続けることが必要です。
また、保健センター、公立の病院や学校などで勤務する場合は、公務員試験に合格する必要があります。試験は自治体によって異なりますが、一般教養試験・筆記試験・面接などを行います。各自治体の求人ページなどに掲載されていますので、そちらをチェックしてください。
就職先は下記のような施設が挙げられます。ご自身にあった施設を見つけると良いでしょう。
委託給食会社
病院
学校
福祉施設
産業給食施設
保健所・保健センター
健康保険組合
研究機関・教育機関
スポーツ栄養分野
管理栄養士の悩みは、やはり何と言っても毎日の献立です。似たようなメニューが続いていないか、食べ合わせは考えられているかなど、悩みは尽きません。
また、事務作業も多く、なかなか厨房に行けず、本来の業務がおろそかになってしまうというジレンマも…。そういったことから、勤務先での他の職員との連携が重要になってくると思います。
介護老人福祉施設/介護老人保健施設/病院/保健所/給食会社/食品会社/他
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