ケアマネジャーが利用者と初めて行なう面接を「インテーク面接」と呼びます。
このインテーク面接を通じて、利用者の現在の問題解決に努めたり、信頼関係を構築していくための情報を集めていきます。
初めて利用者や家族と顔を合わせる際、相手を委縮させないように心がける必要があります。顔を合わせる前には電話で対話をしたり、事前に対面することもあるでしょう。
最初の印象は相手にも大きな影響を与えるため、ひとつひとつの手順に気を配っておきたいものです。
相手が自社に電話をかけてくる際、少なからず緊張があるものです。
会社で受ける電話は、自分だけの印象だけではなく、会社全体の印象へと繋がります。丁寧な口調での対応、基本となる挨拶などの対応を普段から心がけておきましょう。
また、同じ質問を繰り返さないように、手元にメモを置いておくのも有効な方法です。
利用者宅に訪問する際、服装にも気を配っておきたいところですので、できる限り清潔感を心がけておきましょう。
自分では「この程度なら大丈夫だろう」と考えていても、相手には過剰に映ってしまうこともあります。
無駄な装飾品や露出は避け、相手にとって話しやすいと考えられる服装を心がけましょう。
この点は、意外に忘れがちなポイントです。
相手のペースに流されたり、話がそれてしまうことの多い初回面接では、事前に確認しておきたい事項をあげておくことで聞き漏れを防ぐことができます。
例えば、認知症のある方の場合には、家族の一番困っていることなどです。
また、本人の気持ちをお伺いすることができれば、今後の介護サービスを考えるうえで、大変役に立ちます。
一方、確認事項のことばかり気にしていては、本人や家族の話に傾聴することができません。
インテーク面接は、必要事項を聞き取るだけの面接ではありません。
会話から本音を聞き出せることや実際の生活模様がうかがえることがたくさんあります。機械的な面接では、よい介護サービスをプランニングできるとは言えません。
あらかじめ詳しく確認したい事項をピックアップしておきましょう。
ケアマネジャーという名前は知っている方も多いと思いますが、実際にどのような仕事をしているのかを知っている人は一般的には多くありません。
自分の紹介もままならないのに、相手の情報だけを集めようとすると、相手にも不快を与えてしまうことがあります。
相手の話を聞く前に、まずは自分の紹介から入っていきましょう。
「私の仕事は、利用者が日常生活で困っている箇所を聞かせていただいて、必要な提案をおこない、生活を安定させていく橋渡しの仕事です」
このように、ケアマネジャーとはどのような仕事をしているのかを相手にわかりやすく伝えてから本題に入ると、相手に安心感を持ってもらう事ができます。
・困っていること、希望を聞く
ケアプランを立てる上で一番中心に考えるべきポイントになります。
世間話を交えた会話になっても構いません。仰々しい会話の中では本音は聞き出せません。
まずは話を聴く姿勢を見せて、本人や家族に話してもらえるような雰囲気を作りましょう。
「ケアマネジャーは自分の話を聞いてくれる人」と分かってもらえれば、こちらの質問にも構えずにお答えしてもらえます。
この時、一方的にいろいろと質問しては気を悪くする方もいらっしゃいます。
常に相手のペースに合わせて質問するように配慮しましょう。
お相手は、「介護に疲れている家族」、「人にお世話になるのが不安に感じている本人」です。
初対面の訪問者に上手く希望など伝えるのは難しいものです。的を射ない答えが返ってくることもしばしばです。
ベテランのケアマネジャーでも初回面接では答えは出ません。
インテーク面接は、家族の介護負担が減り、本人も安心して暮らせるような介護サービスをご提案できるように情報収集することが目的です。
面接の最後には、家族・本人に、今回の初回面接での成果をお伝えします。
この時は確定の内容ではなく、今後利用できる様々な介護サービスをご提示します。
「ケアマネジャーに相談したことで今後の介護が少しでも楽になるかも・・・」、という希望を家族が持つことも、精神面では負担軽減になっているものです。
ケアマネジャーが退室した後に、「うちは、このようなケアプランで大丈夫かな?」と不安を感じさせないように相手に寄り添う気持ちで行いましょう。
インテーク面接を進めていくと、様々な会話が飛び交い時には話が長くなってしまうことがあります。
予定時間が迫ってきてしまうと会話にも焦りが生じ、相手にも会話を急がせてしまう結果になってしまうこともあるでしょう。
必ず確認しておきたい内容をピックアップしておき、それに沿って確認を進めていくと、話を急がせることもないでしょう。
「〇〇時から次の訪問に行かなくてはならなくて」と事前に相手に伝えた上で、了承をとっておくとスムーズに話を進めやすくなります。
逆に時間ギリギリになって話を中断してしまうと、相手にも悪い印象を持たれてしまう恐れがあります。
インテーク面接では様々な事例があり、毎回の対応の仕方も異なってきます。
時には難聴の方や、弱視の方もいる場合もあります。
家庭事情も様々で独居の方もいれば、家族と同居している時もあるでしょう。
自分のルールといっても、大まかなものでかまいません。
上記のように「最低限気をつけておきたいこと」をまとめておき、状況によって変えていくことが大切になります。
応用を活かすためには、まずは基礎を身につけておくことが大切です。
自分自身での判断が困難な場合は必ず上司に相談する、インテーク面接に慣れるまでは自分自身のチェックシートを作成しておくなどすると、本番でも緊張が和らぐことでしょう。
また、会社の人に「自分の話し方はどうか」という相談を行ったり、先輩のアセスメントシートを参考にするのもオススメです。
困った時には周囲にしっかりアドバイスを受けることも、自分の成長に繋がっていくでしょう。
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