介護認定を受けて、実際に介護サービスを受けている高齢者は大勢います。その中には認知症を患っている方もいます。
今回は、認知症を患っている利用者との向き合い方、接し方について説明していきます。
まずは、その利用者が患っている疾患や怪我について詳しく理解することが求められます。
病気や怪我の事が分からない状態で関わりをもつと、予測できなかったり、リスク管理が不十分になったりと利用者を危険にさらしてしまうと言う事をしっかりと意識しましょう。
認知症とは簡単に言えば、「物忘れ」と言う事ですが、症状は様々です。昔の事を忘れてしまっている場合、目の前の出来ごとを忘れてしまう場合など様々で、一つの症状だけではなく、いくつもの症状が重なり合っていることがほとんどです。
物をどこに置いたのか分からない、大切だからと片付けたが場所を忘れたなどから被害妄想へと進んでしまう場合もあります。
そうなれば、誰かに取られた、盗まれたなどと大騒ぎになることもあります。
認知症だということを自分自身分かっていない方も多いですが、認知症だと分かっている方もおり、忘れてしまうというストレスから精神疾患を発症してしまうという場合もあります。
単に物忘れ、忘れっぽいと簡単に考えるのではなく、どういう事を忘れやすいのか、忘れた場合にどうなるのかなど、しっかりと把握していかなければいけません。
認知症を患っていると、どうしても忘れてしまったり、忘れていることすら忘れていたり、そこから被害妄想や精神疾患を発症してしまったりと、症状は多岐に現れます。
認知症という疾患を理解することはとても重要ですが、疾患と向き合うだけでなく、利用者と関わっているのだということを念頭に置かなければいけません。
認知症と関わるのではなく、認知症を患った利用者と向き合うのです。
忘れっぽい、覚えられない、被害妄想があるなどと簡単に捉えるのではなく、それに対する工夫が必要です。
認知症を患っている場合は、どうしても記憶力の低下がみられるので、利用者だけに聞いても分からなかったり辻褄が合わなかったりと把握しにくいことが多いです。
利用者を信用することは大切ですが、家族や医療スタッフなど関わる人に聞いて、状態を把握することをお勧めします。
利用者だけの意見で判断してしまうと、適切なケアプランが作成できなかったり、介護サービスの判断を間違ってしまったりと利用者の生活に支障をきたす恐れがあります。
しっかりとその人をみて、適切なケアプランの作成や介護サービスの提供が行えるようにしましょう。
認知症を患っていると物事を忘れたり、記憶しておけなかったり、何度も同じ事を聞いてきたり、症状や状態は様々であっても普通に生活することは大変です。
しかし、認知症があるから覚えられないなどと決めつけてしまわず、覚えられる工夫を提案しましょう。
話しを聞いても内容が分からない、辻褄が合わない、何度も同じ事を言うなどの症状がみられるから話しを聞かないということはいけません。
利用者にも意志があるのですから、訴えや気持ちに耳を傾けてあげる必要があります。その中に、利用者をより理解できるヒントが隠れていたりします。
また、何度も同じ事を伝えてきたり、聞いてきたりしますが、その度にきちんと答えてあげる事が大切です。
利用者はその事をとても気にしていたり、注意が向いている証拠なので、適当に返事をせず丁寧な対応を心がけましょう。
ケアプランを作成する際は、事業者への説明だけではなく、利用者の家族にも丁寧に説明を行う事が重要です。
そして、認知症の進行を少しでも遅らせるケアプランの作成が求められます。
認知症を患っていても利用者は一人の人間です。対応にはエネルギーや忍耐力を費やすことも多いですが、決して適当な態度や対応はせず、丁寧に応じる事が利用者との信頼関係にもつながります。
利用者本人と向き合う事も重要ですが、同居されている家族にも目を向けてあげることで、ケアプラン作成が利用者及び家族にとってより良いものになるということもあります。
認知症という疾患にとらわれすぎず、症状や現状、利用者やその家族の生活としっかり向き合いましょう。
カテゴリ
アーカイブ