通所系介護施設での看護師の業務~緊急時の対応~

緊急時

通所系介護施設には主にデイサービス(通所介護)デイケア(通所リハビリ)がありますが、看護師はどちらのサービスにも必要とされている職種です。

利用者の健康管理や機能訓練などの通常の看護業務に加え、利用者の急変時などの事態に備えるなど看護師の対応や医療機関への連携が必要です

今回は通所系施設での緊急時の対応を紹介していきます。

デイサービスに来所する利用者の特徴

通所介護施設に来所する利用者は比較的軽度な要支援の方から、介護度が高く医療的な処置が必要な方まで様々です。

利用する目的もまた利用者によって異なり、低下した身体機能を取り戻すためにリハビリを目的としている方や入浴、食事、レクリエーションなどを目的とした方など多岐にわたります。

多くのデイサービスでは、他者との交流や簡単な運動、レクリエーション、食事、入浴などの目的としていますが、近年サービス内容が多様化し、リハビリ用のマシンを置き、リハビリに特化しているデイサービスや書道、カラオケ、貼り絵などの工作など活動に重点を置いている施設まであります。

個人のADL(日常生活動作)の差も大きいのが特徴で、介護士の介助なしに送迎車への乗り降り、歩行ができる方や車椅子を利用し、介護士を必要とする方まで様々な方がおられます。

 

このようなことから緊急時に備えとしての日々の業務は、利用者のバイタルの確認、顔色の状態などをチェックし、必要に応じてSPO2(経皮的動脈血酸素飽和度)などの確認をおこないます。

まず施設内での最初の対応は看護師が行うので、状態をみて経過観察か、家族への連絡、すぐにかかりつけ病院への搬送が必要かを判断する必要があります。

その際には利用者の既往歴も把握しておく必要があり、場合によっては救急車を手配します。

すぐに対応できるように、日頃から利用者の情報、服用している薬の種類、カルテの場所などを確認しておきましょう。

状況によって生活相談員や主治医に報告、相談をおこない指示を仰ぎます。その時の状況を看護記録に記載し、家族との連絡や相談に活用します。

デイケア(通所リハビリ)に来所する利用者さんの特徴

デイケアに来所する利用者にも様々な状況はありますが、一般のデイサービスを利用する利用者よりもADLが高い利用者さんが多く、リハビリを目的とした方が来所されます。

一般のデイサービスと比較すると病状も安定しているケースが多いですが、そのような場合でも緊急の事態を想定し、利用者の状態は常に把握しておく必要があります。

病院に併設されているデイケアでは、緊急時にもすぐに病院と連携を取り対処をできますが、それ以外の場合には日頃から利用者の症状などを確認しておくことが重要です。

変化し続ける介護施設の制度

2000年に開始された介護保険制度は、3年に1度、制度が見直しされています。

その中で、近年適用されるデイサービスの種類も増え、定員10名以下の小規模デイサービスや日中のデイサービスだけでなく、訪問介護、ショートステイが一体となった小規模多機能型施設など様々な形態の施設が見られるようになりました。

同時に一般企業からの新規参入も増え、現在では事業所の増加に伴い介護士、看護師共に求人は増加傾向にあります。

パート職員として勤務される場合には、利用者の顔、名前、症状などを把握するだけでも大変となりますが、日頃からの状態把握を1人で行うことには限界がありますので、書類や日々の細やかな情報を他の職員と共有し業務を行っていく必要があります。

まとめ

通所系介護施設での看護師の緊急対応は様々なケースがあります。 中でも利用者の転倒事故や急な体調の変化などは突然に起こるものです。

介護職には医療対応を任せることはできませんが、対応できる箇所はお願いし、皆で連携をとりながらスムーズに対応できることが大切です。

日頃から他職種との連携を忘れず、緊急時に備えて準備をしておきましょう。

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