通所系介護施設の看護師の勤務状況

通所系看護師

病院で勤務する以外に看護師という資格を生かせる場所はたくさんあります。

結婚や子育てをきっかけに今まで勤めてきた病院を退職し、比較的勤務時間に融通が利く勤務ができる通所介護施設に勤める看護師も多くみられます。

病院とは違い夜勤のない日勤の時間帯で働くことが大きな理由です。

このような通所介護施設では、多くの場合病院で勤務する際よりも担当する人数も少なく、また医療的な処置が必要な方も少ないので、精神的な負担が軽く、家庭と仕事を両立しやすいといえます。そして、どの施設でも病院などの医療現場で経験を積んだ看護師を必要としています。

特にデイサービスやデイケアのように医師の指示をすぐに仰ぐことができない環境下にある場所では、看護師は医療的なアドバイスをしてくれる心強い存在として必要とされています。それでは看護師が実際にどのようにして通所介護施設で働いていけるのか考えてみたいと思います。

通所系介護施設の人員配置基準から考える

どの介護施設にもその日に勤務しなければならない看護師や機能訓練指導員のような専門職の配置基準が法律で定められています。

例えば、利用定員が10名を超えるデイサービスでは少なくとも1名の看護師の配置が義務付けられており、デイケアや通所リハビリテーションでは、看護業務に携わる看護師に加え、機能訓練指導員の配置も義務付けられています。

機能訓練指導員は理学療法士 、作業療法士 、言語聴覚士 、柔道整復士、あん摩マッサージ指圧師と並んで看護師が勤務することが可能です。

人材不足の介護施設において看護師を募集している場合、一般的に常勤の看護師を求められます。他の職員のシフトの関係もあり、人が特に不足する時間をカバーするために常勤の職員がどうしても必要なためです。

介護士や生活相談員が送迎や担当者会議等で抜ける場合もあり、その日の配置によっては電話対応や一部介護業務を兼ねる場合もあります。
 
通所系介護施設での勤務を考えた場合、これらのことを踏まえてどのくらいの頻度で何時間くらい働けるか、施設にはどれだけの職員がいて、どのような業務を行っているかなどを就業前に施設の状況を確認して、考えておくと安心です。

医療行為に専念できるかどうかで考える

体力的な理由で病院よりも働きやすい環境として通所系介護施設を選ぶベテラン看護師さんもおられます。

理想としては看護師にはバイタルチェック、褥瘡の処置、看護記録の作成、または機能訓練など、介護士にできない医療行為、機能訓練業務に専念したいところですが、やはり職員それぞれの勤務体制やその日の人員配置等によっては、看護師が利用者の入浴時の更衣や排せつ介助等に携わらなければならないことがあります。

例えば、介護士が送迎に出かけている間、看護師が残った介護士とともに利用者のバイタルチェックをし、入浴介助を先に始めていることがあります。これは1日の業務を円滑に進めるために必要なもので、このような業務体制は事業所によって異なります。

しかし、主介護者として身体介護は基本的に介護士が行いますので、大きな心配はありません。介護を行う際に看護師は補佐のポジションですのであくまでも看護師としての立場で業務を行います。

特に、通所系介護施設では午前中の時間帯などは、利用者の送迎に職員がでているため、慌ただしくなりがちで、その日の人員配置通りに業務が回転し始めるまで少し時間がかかります。さらに通所系介護施設は帰りの時間が決まっているので午前、午後ともに一日のスケジュールも細かく決まっています。
 
人員に余裕がある施設では、看護師は午前中にバイタルチェックなどの業務はありますが、午後からは先に述べたような介護業務を介護士に任せ、看護記録の作成などの看護業務に専念できる施設もあります。

自身がどのような働き方をしたいのか、介護に看護師として関わる点で理想があるかなど考慮して希望に見合う施設を選ぶのが良いでしょう。

介護施設と病院の大きな違い

今まで病院で医師の指示のもとに働いてきた場合、そのような医師からの判断や指示のない介護施設で働くことに最初は大きな不安を覚えるかもしれません。

緊急時には他の職員から判断を仰がれることもあり、その日の看護師の配置によっては、自分ひとりで最初の判断を出す必要があるためです。看護師は利用者の家族をはじめ、関わる人すべてから頼られることになります。中にはなかなか経験したことのない病気や症状に直面することもあるかもしれません。

そういった場合には、介護施設で全体の責任を持つ管理者や生活相談員と協力し、利用者の状態を把握し、緊急時にはかかりつけの病院に連絡するなどの対処方法を決めていくことができますので、全ての判断を任されてしまうという心配はありません。

予想される状況や対処方法について事前に話し合い、他の職員と情報を共有することで、緊急時に対応することもできます。また、他の看護師がいるのであれば、連絡ノート等で情報を共有し、処置の基準などを決めておくこともできます。
 
医師がいなくても多職種と協力することで、看護師の負担、責任を軽減することもできるでしょう。

利用者や家庭について個々の状況にあったケアが求められる介護現場では、幅広い医療の知識や経験が必要とされています。様々な経験を持つ看護師が介護の現場で知識を生かしていくことを願っています。

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