介護施設における看護業務~健康管理(バイタル測定・血糖値測定)~

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介護施設における看護師の役割は様々ありますが、その中で最も大切なのは入所者や利用者の健康管理です。
施設内で行うケアサービスやレクリエーションもすべて行って良い状態である、と判断されることが必要です。

それを判断するのが、介護施設内の看護師ということになります。

■介護施設における健康管理

介護施設の中では、様々なサービスやレクリエーションが行われます。そのすべてにおいてバイタルが安定していることが必要です。

特に入浴などは高齢者が最も体力を使う場面となるので、必ずバイタル測定後に行う必要があります。介護施設におけるバイタル測定や健康管理には、病院施設とは違う点があります。

〇その人なりの正常値を見つける

病院ではバイタル測定値や血糖値測定値がある程度の正常値が設定されていて、その範囲内に収めることを目標とします。しかし、介護施設ではその日の気温や利用者の状況によって、多少正常値から逸脱していても経過を見ることもあります。 

(例えば血圧160台は、病院では降圧剤を始めるか始めないか境界域です。施設内でこの値に出会った時、その利用者が“いつも130~140台、施設に到着した直後で息が上がっている”、などの状況があれば、“利用者の次の病院受診時の報告で良い”、などと判断することになります) 

そのため、介護施設で働く看護師は、その利用者固有の正常値を日頃からとらえておいた方が良いです。 

〇流行性疾患の予防

もう一つは、集団生活を管理する意味があります。インフルエンザやノロウィルスなど季節性で流行るものがあります。これは、高齢者にとっては生死に関わる問題です。もし、一人でも怪しい人がいれば、まず迅速に隔離措置をします。

そして、早目に迎えに来てもらったり、受診させたりと施設内で感染を広げない工夫をしなくてはなりません。

介護施設で働く時は、その時何が流行っているか、それに対する予防策・対応策を常に頭に入れましょう。基本的なうがい・手洗いは職員と利用者に徹底してもらいましょう。

■バイタル測定と血糖値測定のポイント

バイタル測定で看ていくのは「血圧」「脈拍」「体温」で、糖尿病で常時血糖測定をしている利用者は「血糖値」も看ていきます。正常値がどうかの判断は、前述したようにみていきましょう。

それ以外に、高齢者の特徴として体調不良がバイタルに反映されないことがあります。インフルエンザに罹っていても高熱が出ない、血圧が上がっているのに症状を訴えない、などバイタルと所見が律動しないことがあるのです。

そこで、「いつもとちょっと違うな」「なんかボーっとしているな」「顔色悪いかな」などとトータルで看ていく必要があります。それとともに、バイタル測定をする時にはその利用者さんの既往症と、起こり得る状況を想定しながら行いましょう。

血糖値に関しては、その人が糖尿病境界域なのか、またすでに内服が始まっているのか、またインスリンまで投与しているのかなどを理解しておきます。軽症か重症かによって、異常値の場合の対処法が違ってくるので、糖尿病としてどの段階なのかは大切です。

■異常値の場合の対処法

まず基本的に、血圧上昇時は休息をとらせる、低血糖に吸収しやすい糖分の補給などは頭に入れておきましょう。ただ、脈拍が異常に遅い、発熱している、高血糖などの場合はなかなか介護施設内の対応では済まないことが多いでしょう。

介護施設内の看護師の重要な役割として、異常値の場合の対処があります。施設内での対応では済まないかどうか、それを判断するのは看護師です。

すぐに受診できる環境がある介護施設は良いですが、無い場合は家族に連絡を取るなどの受診の手段を踏まえて、利用者の状況も看ながら、動かなくてはいけません。緊急受診時のマニュアルはしっかり理解しておきましょう。

■まとめ

介護施設内の健康管理について、おわかりいただけましたか?細かい部分はまだいろいろありますが、一番大切なことは「普段とちょっと違う」「なんか顔色悪いかな」などと日常との違いに気付くことです。そして、利用者をよく見ている介護士からの報告を逃さないようにすることも大切です。

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