看護師の福祉施設での仕事~食事介助と胃瘻ケア~

看護師 食事介助

福祉施設での看護師の役割は、その施設によって異なりますが、食事介助などは必ずあります。
胃瘻でも入所できる施設では、胃瘻管理も看護師の仕事です。

また、食事の「inとout」の関係の把握も大切で、食事量と排泄量が合っているかどうかは、看護師が把握し管理しなくてはなりません。 

■福祉施設での食事介助 

食事介助そのものは介護スタッフと連携して行います。看護師が担当するのは、痰がたまりやすい人や、誤飲しやすい人などになるでしょう。
その人にとっての食べやすい食事形態とは何か(刻み食、ミキサー食など)を考え、食事中の事故が起きないように気を配ります。

食事前後にしっかり痰を吸引しておいたり、食事中の姿勢を整えるなどのアドバイスも必要です。
介護スタッフも十分に学んできてはいますが、共同してその人ができるだけ経口で食べられる工夫をしていきます。

また、口腔内の保清もとても大事で、口腔ケアは介護士と共に行います。
食事介助時の口腔内の観察で、細菌の温床になっていないかチェックし、口腔ケアの方法も変えた方が良いのか考えましょう。
例えば、義歯が合っていなければ、家族に歯科受診を勧めたりもします。 

■胃瘻管理

どうしても経口摂取が困難な場合、胃瘻という手段が使われます。
胃瘻造設はもちろん医療施設で行いますし、ある程度管理が安定してから施設へ来ることになります。
それでもトラブルが無いか常時観察が必要です。 

施設によっては胃瘻の注入は介護士ができるところもありますが、看護師特有の業務になっている所もあり、様々です。
介護士が注入したとしても、注入スピードや温度、入所者の姿勢などには常に目を配りましょう。

~胃瘻管理に関して起こり得るトラブル~

胃瘻管理に関して起こり得るトラブルは、実際の注入作業より、胃瘻周囲の皮膚トラブルや胃瘻による下痢などのケアの方が多いです。
異物を注入しているので、その周囲が赤くかぶれたり出血したり、また胃液でただれてしまったりということはよくあります。

このような時にまずは施設内にあるものでケアをしますが、専任の医師が居れば相談し、必要に応じて皮膚科を受診などして健康な皮膚を保たなくてはなりません。
特に、胃瘻造設してから日が浅い時期は、トラブルが起こらないように予防することが必要です。

また、通常の食事より水分が多いので、どうしても下痢をしやすくなります。
そこで注入のスピードなども大事ですが、医師に相談の元、止痢剤の投与や栄養剤、下痢をする要素の少ないものに変更依頼をしていきます。

腹部の聴診をして、下痢に対するケアが適していたか確認しましょう。 

■食事量のチェックと排泄管理 

食事の介助でもう一つ大切なのは、食事量のチェックです。
きちんと食べられるように体制を整えると共に、どのくらい食べられているか確認しましょう。
その結果、食欲が落ちているようならその原因を探ります。

食事内容や形態を変えれば食べられそうな場合は変えてみる、持病の悪化などがありそうなら医師に打診するなどしていきます。

また、食欲低下に便秘などが関係していることも、特に高齢者の場合少なくありません。 
排泄量もチェックしている所が多いと思いますので、便秘がちなことが判明したら下剤の投与、水分補給、体を動かして腸蠕動を促す、など工夫していきます。

看護師特有の業務として「inとout」のチェックは大切です。

■まとめ

福祉施設でできる看護業務は、看護師特有の業務より、介護士と共同していくものが多いでしょう。
食事介助も、介助そのものはそういった共同作業ですが、それで良いのかの観察やアドバイスは看護師がしていかなくてはなりません。

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