1980年代頃の日本では女性の社会への進出はそれほど多くはなく、
家族の中で介護の必要性のある方がいても、自宅でケアすることも可能な時代でした。また、高齢者の寿命がそれほど長くなく、女性の平均寿命が78歳、男性が73歳とも短く、介護で退職する方もまた現在と違い多くはありませんでした。
しかし、90年代から女性の社会への進出が本格化、職種も多様化し、女性が管理職になることも珍しくなくなりました。女性が社会に進出する分、寿命が伸びてきた高齢者のケアが問題になってきました。
昔は病院に長期入院が多かったようです。現在では介護保険法が制定され、ケアが必要な高齢者が必要なケアを受けられるようになりました。ケアだけでなく、各都道府県や市区町村が、寝たきりや認知症にならないように介護予防にも力を入れています。
そして、超高齢化時代を迎えた日本では介護の担い手が足りません。高齢者やその家族、日本社会のサポーターとしての介護士の育成が急がれています。
介護士はどんな人が向いていると思いますか?仕事が早い?優しい?介護の知識がある?いろいろありますが、介護士に最も必要なスキルとはいったい何でしょうか?
それは「目配り」・「気配り」ができる人です。確かに介護の知識、技術者も大切ですが、私たちが、相手にしているのは、高齢者であり、障がい者、障がい児の方々です。自分の気持ちや訴えを上手に出来ない方々の為にその方たちの気持ちを感じとり、必要なサポートができるような人が介護の仕事に向いているのではないかと思います。
施設で働く職員にももちろん「目配り」「気配り」は必要です。在宅と違って、施設は早番、日勤、遅番、夜勤を複数人でこなします。例えば、
早番A お風呂 中介助 →利用者の洗身、洗髪を行います。
早番B 外介助→衣類の着脱の仕事がありますが、早番、AとBがそれぞれの仕事だけをすればいいだけでなく、業務の状況によっては、お互いの仕事を必要によってサポートします。
お風呂の全体業務がスムーズに進むように、考えながら仕事を進める事が重要になります。先ほどお話しした、「目配り」「気配り」はここでも必要になります。どんな仕事でもそうですが、円滑な人間関係に築くためにも、「目配り」「気配り」は不可欠になってきます。
有料老人ホームや老人保健施設、特別養護施設などの高齢者施設があります。施設では介護士が食事、排泄、入浴、レクリエーションを行います。施設によりますが、介護士の勤務はシフト制で、早番、日勤、遅番、夜勤を担当します。
介護士は日々の業務を覚えるのはもちろん、入居されている高齢者の顔、名前、症状など覚えることが多くあります。研修だけではわからないことが出てくるので、新人の介護士は、わからない事があれば、積極的に質問をしましょう。まわりの先輩方はちゃんと教えてくれます。あとは技術知識の習得のみです。業務は「目配り」「気配り」、まわりの方とのコミュニケーションで頑張っていきましょう。
介護の仕事は大変ですが、やりがいや利用者の方からの感謝の気持ち、家族からの感謝の声がたくさん返ってきます。最初は新人で不安一杯だったとしても、人生の先輩でもある利用者の方々はあたたかく受け入れてくれるものです。
リラックスして高齢者とコミュニケーションをとっていきましょう。変化のある毎日が楽しいのです。頑張ってください。
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