介護の仕事は高齢化により今後も高い需要が見込まれます。また、人々が支え合いながら生活する社会の実現に貢献できる意義のある仕事です。同時に責任感を持って心身に疾患や障害を持つ人々の生活を支える使命もあります。
介護の仕事は、介護サービスを利用する人々が可能な限り健康で充実した暮らしが出来るように重要な役割を担っています。そこで介護のプロとして意欲を持って仕事に取り組むために必要な事を今後の課題と合わせて紹介します。
どの業界で働いていても「プロ意識を持て」と言われることがあります。介護職員においても同様で、抽象的で具体性の無いプロ意識という言葉に思い悩む人もいます。それでは、介護職員が持つべきプロ意識とは何かを考えていきます。
介護職員は介護サービス利用者と一番接する機会が多く、表情や顔色、口調、皮膚、身体の痛みといった心身の観察を行い、変化が見られた場合には医療職等へ速やかに報告するなど適切な対応が求められます。また麻痺や拘縮等の影響で移動がスムーズに出来ない、食事がスムーズに摂れないといった状態に適切な介護方法によって支援します。
そのため、利用者の状態変化に速やかに対応出来る事や身体状態に合わせ移乗や入浴等の日常生活動作に適切な方法でサービス提供出来る事は基本となります。これに加え、現在の介護方法が本当に合っているかを考えて常に優れたサービス提供のため学び続ける事も大切です。
さらに介護だけではなく、医療や様々な生活支援サービスなど、利用者の健康と暮らしを支える多くの知識や技術を持っている事も介護のプロとして重要になります。介護職員におけるプロ意識とは、人々の生活を支える者として常に優れたサービス提供のため学び続ける姿勢にあります。
知識や技術が優れていても、人を愛し大切にする人間性が備わっていなければ介護のプロとは言えません。最近の介護業界はビジネスとして考えられている点も多く、効率性ばかりに目が行く事で利用者に対して思いやりを持った十分なケアを行えていない事業所も見られます。また介護に対する様々な考えを持っている職員が集まっているため、人間関係も複雑です。
しかし、介護の仕事は個々の性格や心身の状態といった人格そのものを尊重し、その人に合ったサービスを提供しています。日頃から丁寧な対応を心掛けていないと介助が雑になりケガをさせるリスクも出てきます。どのような状況でも丁寧に人と接し、利用者にも同僚にも敬意を持つ事が人を大切にする介護の仕事のプロとして重要な事です。
介護業界では理想論が先走りして現場の状況に合っていない事があります。介護職員が研修を受ければ一部の医療行為を許可されるなど、業務量が増加する中で介護報酬という事業所に入るお金を減らすのは不思議な事です。介護報酬の減額は介護職員の給与にも関わってきますので、高齢化に向けてプロ意識の高い職員を確保する事が困難になってきます。
しかし、同時に社会保障費の増大という問題もあります。これを安定的に確保し、介護職員の給与を向上するためには増税も必要で、国民全体で考えていくべき課題です。
介護職員は介護サービスを提供する事で、利用者の暮らしを支えています。しかし同時に社会貢献しているという充実感と生活に必要な給与など、様々なものを利用者から提供されています。そのため利用者に対し感謝する気持ちを忘れず、常に適切なサービスを追求するプロとしてのプライドをしっかり持って仕事に臨む姿勢が大切です。
いつの間にか自分達が「してあげている」という意識になっていないか見直しながら、自分のスキル向上に意欲を持ってケアに取り組む事が大切です。
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