介護の仕事に大切な薬の知識

薬は介護サービスを利用する人にとって、心身機能の維持や向上に欠かせないものです。要介護者が様々な病気を持ちながら、日々健康的な生活を送るために服薬時にもサポートしていく必要があります。高齢者は特に体力や免疫力が低下しており、誤薬・副作用の問題が直接命に関わる危険性があります。ここでは利用者が飲んでいる薬にはどのような物があるのか、服用したことで発生する副作用と影響、ケアを行う上での注意点について紹介していきます。

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介護サービスの利用者が主に飲んでいる薬

介護サービスを受けている人は様々な病気を抱えており、症状に合わせた薬を服用しています。利用者に多い病気は高血圧、糖尿病、脳血管障害等があり、降圧剤や血糖降下薬、血流改善薬といった薬があります。他にも血管拡張のためのスプレー、認知症の進行を抑える貼り薬、気持ちを落ち着けるための抗精神病薬、下剤など人によって種類は異なっています。

服用する時間帯も起床時、食事前、食後、夕食時、就寝前と様々で薬の効果がより得られやすい時間帯を考えて、医師から指示が出されています。このような薬は利用者の心身の健康を保つ効果をもたらすと同時に、様々な副作用が発生するリスクもあります。介護の仕事は、利用者が服用している薬の名前と効果を把握してサービス提供に取り組む必要があります。

なぜ介護の仕事に薬の知識が必要なのか

薬は心身機能の維持、向上に役立つだけではなく副作用によって様々な変化をもたらします。例えば降圧剤は目眩等の副作用で移動時にバランスを崩す、血糖降下薬は低血糖による意識障害、血流改善薬は出血しやすくなるといった副作用があります。介護職員はこのような事実を理解し、降圧剤を飲んでいる人には移動時にバランスを崩さないように身体をしっかり支える、血糖降下薬の場合食事量や表情、意識状態の観察、血流改善薬は物に身体をぶつける事の無いよう気を配るといった対応を心掛ける事が重要です。

このように薬は利用者の心身の変化に関わってくるため、介護職員は薬に関する知識を持って適切な支援を行う必要があります。介護職として、プロとしてサービスを提供するには専門性を追求していくことが必要不可欠です。

薬の飲み忘れや間違いに注意

介護の仕事では起床や就寝や食事の支援に入った際に、利用者に薬を渡して間違いなく服用したかを確認することや薬をオブラートに包む事、飲み込みやすいようにゼリーを使用するなど様々な方法で服薬介助に関わります。この際に重要なのは薬袋に書かれている名前に間違いは無いか、服薬する時間帯に誤りはないか、薬の飲み忘れが無いか等の確認作業です。

服薬介助の中でミスがあると、生命に関わるような事態になる可能性が出てきます。間違えて他人の薬を服用させてしまったという事故事例も実際にありますので、丁寧な取り扱いが必要です。その他にも、貼り薬は皮膚のかぶれを防ぐために、貼る位置をその都度ずらして貼り付けるといった薬によって注意すべき点があります。

服薬介助では事故が多く、集中して取り組む事が大切

介護の仕事で関わる事が多い服薬介助では、服用時に誤って床に落とさないように注意を払うことや上手く飲み込めず口の中に残ってしまっていないか等の確認することがとても重要です。場合によっては口の中を確認やチェック表を活用する事などミスなく服薬介助を行う必要があります。それと同時に、利用者の心身に変化が見られる場合には薬の影響も疑い医師や看護師、薬剤師等に速やかに報告する事も大切です。新しい薬が処方された時や薬の量が増えた時には、特に心身の状態に対する注意深い観察が必要となります。利用者の状態の変化にいち早く気付く事は、接する機会の多い介護職員にとって大切な使命です。

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